フィリップ・ガストン《静止図》作品解説

たいと
こんにちは!たいとです!今回は、フィリップ・ガストン《静止図》の解説をしていきます!

作品概要

作品名:静止図

作者:フィリップ・ガストン

制作年:1973

所蔵:メトロポリタン美術館(アメリカ)

作者の簡単なプロフィール

カナダ生まれのアメリカの画家。象徴表現主義。ユダヤ人大量虐殺やKKKなどをテーマにした終末的色合いの濃い画を描きました。

絵を観察しよう。何が描かれてる?

たいと
まず、何が描かれてるかをあげてみましょう。見たまんま、思いつくままでOK!

寝転んだ子供のような人物がタバコを吸っている

全体的にピンク色

時計、電球など。描かれているものは少ない。

体と地面の間に赤い血のようなものが描かれている

たいと
・・・こんな感じかな?では、細かく作品の特徴を解説していきましょう!

カメレオンのように作風が変化したガストン

ガストンは、時代や思想に合わせて作風をなんども変えてきました。彼のスタイルの変化を押さえましょう。

初期の作品

1913年にモントリオールでロシア人移民の家庭に生まれたフィリップガストンの初期の作品は、キュビスム時代のピカソや形而上学絵画のキリコなどの流れを汲んでいました。

世界恐慌の30年代半ば以降にNYに住み始め、政府機関の注文で製作したフレスコ(壁画)には、メキシコ絵画の影響も受けました。

政治的関心

ガストンは政治問題への関心が強く、クークラックスクラン(KKK)を壁画の題材に選んだりしました。

1930年代末になると、スペイン内戦中の都市無差別爆撃をテーマにしたピカソの作品《ゲルニカ》に影響を受け、ガストンは政治的な主張は「芸術」に迎合しない表現方法だと確信しました。

 

抽象画への以降

1947年以降、彼の作品は抽象的なものに変化していきました。その頃からジャクソン・ポロックやバーネット・ニューマンなどアメリカ抽象表現主義と呼ばれるNY派の中心的存在として活躍し、作曲家のモートン・フェルドマンや実験音楽家ジョン・ケージなどとの交流からアジア思想を知ることになりました。それからカリグラフィなどアジア的な要素を含んだ作品を発表しました。

コミック風の絵画への以降

しかし1958年にはまた、作風が変化します。ガストンは再び抽象絵画を辞め、漫画家のロバート・クラムに影響を受け、コミック風の作品の製作を始めました。

この《静止図》はこの頃の作品です。

裸電球の下のベッドに寝そべる子供がタバコを吸っている様子は、ベトナム戦争や人種差別など60年代以降の憂鬱な世相を反映しています。ユーモアを交えながら、不条理を映し出す彼の作品は議論を醸しました。

 

たいと
いかがでしたか?フィリップ・ガストン《静止図》は、ニューヨークメトロポリタン美術館にあるので、NYに訪れた際はぜひ観てみてください!

▶︎NYメトロポリタン美術館の本気。ヴェルサイユ展の世界観が素晴らしすぎた。

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ニューヨークの大学に留学中の23歳。 絵は描けないけど美大生。 『アートをもっと身近に』をテーマにアウトプット。海外生活や旅のことも書きます。 現在、ニューヨークで若者のクリエイターコミュニティを運営中。