こんにちは、たいと(@taito212)です。
ロンドンの現代アート誌『Art Review(アートレビュー)』が毎年発表する『This year’s most influential people in the contemporary artworld(アート業界で最も影響力のある人物トップ100)』。1年間の国際的な制作活動や市場価値を元に作られたこのランキングには、アーティストだけでなくキュレーターやギャラリストなど今のアート業界で活躍する人たちが載っています。
今、現代アート界でホットな人物は誰なんだろう。昨年1年間で活躍したキーパーソンを見てみましょう。
トップについたのは、近年評価が上がってきているドイツの映画作家のヒト・スタヤル。実は彼女は5年連続でこのArt Reviewにランクインしています。2017年に発表した著書『Duty Free Art: Art in the Age of Planetary Civil War(自由芸術:惑星内戦時代の芸術)』の中では、「現代美術は、全てが行き詰まり、停滞する時代に属している。」と述べていますが、彼女は今の時代だからこそ有用なプラットフォームを利用して表現を続けてきました。YouTubeやオンラインギャラリーでも作品を発表するだけでなく、昨年だけで、世界8都市での単独個展を行いました。まさに、世界を股にかけて活躍するアーティスト。2018年の活躍も楽しみです。
続いて2位は、フランスとニューヨークを拠点に活動するコンセプチュアルアーティストのピエール・ユイグ。映画の構造を利用して、フィクションと現実の関係を探る映像作品やプロジェクトを発表するユイグは、昨年太宰府天満宮の境内で新作となる『庭』を制作した事も話題になりました。自然と人為の関係性を考えさせられるこの作品は、恒久展示されることになりました。
庭/ピエール・ユイグ
第3位は、カリフォルニア大学教授のダナ・ハラウェイ。彼女が1984年に書いた「サイボーグ・マニフェスト」は、人工知能とアイデンティティの問題が浮き彫りになる現代において、再評価され、多くのアーティストのインスピレーションになりました。
- 『Hito Steyerl(ヒト・スタヤル)』映像作家
- 『Pierre Huyghe(ピエール・ユイグ)』コンセプチュアルアーティスト
- 『Donna Haraway(ダナ・ハラウェイ)』教授
- 『Adam Szymczyk(アダム・シムジク)』美術評論家、アートディレクター
- 『David Zwirner(デイヴィッド・ツヴィルナー)』ギャラリスト
- 『Hans Ulrich Obrist(ハンス・ウルリッヒ・オブリスト)』キュレーター
- 『Iwan & Manuela Wirth(イワン・マヌエラ・ワース)』ギャラリスト
- 『Thelma Golden(セルマ・ゴールデン)』キュレーター
- 『Bruno Latour(ブルーノ・ラトゥール)』社会学者
- 『Gavin Brown(ガイビン・ブラウン)』ギャラリスト
- 『Wolfgang Tillmans(ヴォルフガング・ティルマンス)』写真家
- 『Adam D. Weinberg(アダム・ウェインバーグ)ホイットニー美術館取締役
- 『Ai Weiwei(アイ・ウェイウェイ)』アーティスト・活動家
- 『Joan Jonas(ジョアン・ジョナス)』ファインアーティスト
- 『Larry Gagosian(ラリー・ガゴシアン)』画商
- 『Maria Balshaw(マリア・バルショウ)』テートギャラリーディレクター
- 『Glenn D. Lowry(グレン・ローリー)』ニューヨーク近代美術館取締役
- 『Marian Goodman(マリアン・グッドマン)』ギャラリスト
- 『David Hammons(デイビット・ハモンズ)』美術家
- 『Monika Spruth & Philomene Magers(モニカ・スプラウス、フィロメネ・メイガーズ)』ギャラリスト
- 『Marc & Arne Glimcher(マーク&アーネ・グリムシャー)』美術商
- 『Massimiliano Gioni(マッシミリアーノ・ジオーニ)』キュレーター
- 『Theaster Gates(スイースター・ゲーツ)』アーティスト
- 『Marc Spiegler(マーク・シュピーグレル)』アートバーゼルディレクター
- 『Nicholas Logsdail, Alex Logsdail & Greg Hilty(ニコラス・ロッグスデール、アレックス・ログスデイル、グレッグ・ヒルティ)』キュレーター
25~100位はこちら。54位には、現代アーティストのジェフクーンズ、63位にはオラファー・エリアソンがランクイン。日本人では、昨年自ら美術館を立てた草間彌生が最高位の55位に選ばれています。草間彌生氏は、自身の過去最大級の個展「我が永遠の魂」も開催していたので話題になりましたね。日本人では、他に美術評論家の長谷川祐子氏が選ばれています。2014年以降、日本人でランクインしているのは、この2人だけなので、今年は日本人のアーティストやアート関係者にも活躍して欲しいですね。
草間彌生
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