ジョン・シンガー・サージェント《マダムXの肖像》作品解説

たいと
こんにちは!たいとです!今回は、ジョン・シンガー・サージェント《マダムXの肖像》の解説をしていきます!

作品概要

作品名:マダムXの肖像

作者:ジョン・シンガー・サージェント

制作年:1883–84

所蔵:メトロポリタン美術館(アメリカ)

作者の簡単なプロフィール

自画像/ジョン・シンガー・サージェント

19世紀後半から20世紀前半のアメリカの画家。フランスで美術教育を受け、おもにロンドンとパリで活動しました。上流社交界の人々を描いた優雅な肖像画で知られます。ジョン・シンガー・サージェントは、 印象派など新しい時代を感じさせる絵画が次々と生まれる中で、伝統的な肖像画を描き続け「最後の肖像画家」と呼ばれた画家

絵を観察しよう。何が描かれてる?

たいと
まず、何が描かれてるかをあげてみましょう。見たまんま、思いつくままでOK!

黒いドレスを着た女性

丸いテーブルに手をかけて、横を向いている

白い肌

足元は影を落としている

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・・・こんな感じかな?では、細かく作品の特徴を解説していきましょう!

作品の特徴

作品の主題

サージェントは、この主題の女性に対して彼の友人にこんなことを言っています。

私は、彼女の肖像を描くことに対する強烈な願望があり、彼女には描かれるべき理由がある。彼女は自分自身の美しさに誰かが敬意を伝えるのを待っている。もし、彼女に出会ったら伝えてくれ。私がその才能を持った一人だと。

一見ただの綺麗な女性の絵に見えますが、当時はこの絵がスキャンダルを起こしました。なぜなら、明らかに当時の実在の女性であるゴートロー夫人(アメリカ出身で、フランス人銀行家のピエール・ゴートローと結婚した)を描いたものだったからです。

人妻を描いたものとしてはあまりにも官能的であり品がないとして、当時の批評家から非難されました。これをマダムXスキャンダルと言います。

練られた構図

サージェントはこの作品を描くに当たって、30枚ものイメージを描き、あらゆるポーズを研究しました。

水彩で描かれたもの

彼女のドレスのストラップが肩から落ちているバージョンも描かれましたが、最終的な作品では修正されました。油彩で描かれた横顔で、立ち姿で女性が凛々しく描かれています。

白い肌、ピンと腰、貴族らしい佇まいといった作品の官能的な要素は、視聴者の興味を煽る為ではなく、”(銀行家の男性と結婚した)彼女が貴族の管理下にある”ことをほのめかしています。

色使い

女性の周りは、温かみのある茶色で囲まれていて、ドレスの色は暗く、彼女の白い肌をより強調しています。

古典的なオマージュ

この作品には、古典的なオマージュがあります。テーブルの脚はギリシャ神話に登場する海の怪物セイレーンの飾りが施されていて、女性が着用している三日月のティアラは女神ダイアナを象徴しています。

作品の評価

フランスの女性詩人ジュディス・ゴーティエは、彼のこの作品を見てこう書いています。

この絵は最高の画家によって正確かつ誠実に描かれた現代女性の姿だ。

サージェント自身も、後に『おそらく私の作品の中で最高のものだ』とコメントしているほど。

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自他共に認める傑作ということですね!

おまけ

サージェントは、マダムXスキャンダルによってパリにいられなくなり、ロンドンに移りました。ロンドンでも古典的でありながら、独特の優美さを持った肖像画は人気を集め、ロイヤルアカデミーの正会員にもなりました。

父の祖国であるアメリカに赴き、大統領の肖像画を描いたり、ボストンの公共図書館の壁画美術館の天井画を描くなど、晩年まで精力的に活動しました。

セオドアルーズベルト大統領の肖像

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いかがでしたか?ジョン・シンガー・サージェント《マダムXの肖像》は、ニューヨークメトロポリタン美術館にあるので、NYに訪れた際はぜひ観てみてください!

▶︎NYメトロポリタン美術館の本気。ヴェルサイユ展の世界観が素晴らしすぎた。

▼画集

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ニューヨークの大学に留学中の23歳。 絵は描けないけど美大生。 『アートをもっと身近に』をテーマにアウトプット。海外生活や旅のことも書きます。 現在、ニューヨークで若者のクリエイターコミュニティを運営中。