自分の「好きなもの」を再確認できた。「アートエクスポニューヨーク2018」レポート

こんにちは、勝俣泰斗(@taito212)です。

4月19日(水)〜22日(日)の4日間、ニューヨーク市マンハッタンのPIER 94で「ART EXPO NEW YORK2018」が開催されました。

世界中から集まったギャラリーやアーティストの作品が一挙に集結するアートイベントで、現代アートの動向をチェックしようとアート業界から多くの人が詰めかけました。今回はアートエクスポニューヨークの潜入レポです。

PIER 94

アートエクスポニューヨークとは

Art Expo New Yorkの様子

今年で40周年を迎える世界最大級のアートのキュレーションショー。業界最大のバイヤーやコレクター、出版社が1000を超える新興アーティスト・ギャラリーの作品と交わることのできるアートの祭典。毎年、3万人以上の来場者が詰めかけ、アート界で注目の面々も集まる。出展ギャラリーやアーティストから直接作品を購入できる場

アートエクスポでは過去40年の歴史の中で、アンディ・ウォルホールや、キース・ヘリングなど世界的に有名なアーティストの作品も扱われてきた。

エクスポは、広い1フロアの中に「SOLO(独立アーティスト)エリア」、「FOTO(写真)エリア」、「新興アーティストエリア」、「彫刻エリア」、そしてその他の「一般ギャラリーエリア」の5つのエリアで構成されていて、すべて自由に見て回ることができます。

スケジュール

エクスポの4日間のスケジュールは以下の通り。

4月19日(木):トレーダーズデー / トレーダーズ・パーティ(美術商・アート業者限定)

4月20日(金)オープニングナイトパーティ(一般公開)

4月20日(金)ー4月22日(日):アートコレクターズデー(一般公開)

初日は、トレーダーズデーということで、アート関係者限定、僕は一般公開の土曜日に参戦しました。

アーティストとの距離が近い!

一般の美術館と違って、このアートエクスポでは実際にアーティストと交流できるチャンスでもあります。

何気なく絵を見ていると、「どうこの絵気に入った?」と、その絵を書いたアーティストに話しかけられたり。アーティストがこだわったポイントを話してくれたり。普通に雑談もできて、なんかドキドキしました(笑)

会場のスペースで子供達にサインするアーティストのBlend Cotaさん。

実際に、ボディペイントアーティストの作品にモデルとして参加した女性⬇︎。イベントにも作中で使用したボディペイントをして参加していて、周囲の来場者の注目の的に。

そのすぐそばには、彼女がモデルをした作品が並んでいるので、作品に対する興味もより一層深まります。

Musical Body/J. Vargas

充実したトークセッション

アートエクスポでは、「TOPIC & TREND」と題したセミナーやトークイベントも充実していて、4日間を通して、アートマーケティング、中小企業経営、アーティストのためのソーシャルメディアなどのトピックに関するセミナーやディスカッションが行われていました。出展者や来場者が最新の業界の動向を知るための機会でもあり、アーティストを志す人たちもイベントに参加していました。

上の写真は、「アートトーク:ファインアートの写真家の成功の秘訣」というテーマでそれぞれ世界各国で活躍する3人の写真家がトークセッションをしている様子。

初めて売れた作品の話や、自分の作品のオリジナリティに対する考えなど、普段聞けないアーティストの本音がたくさん聞ける場となっていました。

アートエクスポ作品紹介

以前記事にも書いた「ニューヨークアフォーダブルアートフェア」の場合は、「アフォーダブル(手頃な価格の)」というタイトルの通り10万円台の作品もあったんですが、アートエクスポは全体的に値段が高めの印象でした。

僕のような学生の身分では到底手に届かない作品ばかりなので、いつものように「宝くじに当たったらこれ買うぞ〜」ってスタンスで作品を鑑賞しました。僕が「欲しい!」って思ったエクスポ内の作品を一部紹介します。

Dar Jamesの作品

絵本作家でもあるアーティストDar Jamesの作品。身の回りの自然からインスパイヤーされた彼女の作品は、木や虹をモチーフにしたものが多いです。自らを「カラージャンキー」というだけあって、カラフルで鮮やかな作品ばかり。

Cindy WalpoleとChuck Fritschの作品

こちらはコスタリカのアーティストCindy WalpoleとChuck Fritsch夫婦の作品あまりにも細かい色使いに、これは「絵なの?写真なの?」と眺めていると、後ろからギャラリーの方が説明してくれました。

実は、これは写真の作品で、鮮やかな色は特殊な技術で実際のハチドリ本来の色を抽出したものだそうです。花は別撮りしたものを後から合成しているみたいですが、ものすごく細かくて生で見るとめっちゃ綺麗でした。

Loving the Spin / Anna Razumovskaya

ロマンティックで躍動感のあるAnnaの作品。一瞬で釘付けにされました。

「素早く、シンプルに、輝かしく。これが私の描き方であり、生き方でもある。」と語るAnna。彼女の生き方も反映するような、豪快なタッチが作品の細部に見てとれます。

Still Life-Mawaru / Ishikawa Toshio

こちらは日本人アーティストの作品。緑色で統一された画面に思わず立ち止まりました。国内外で数々の賞を受賞しているアーティストです。

Journey to the Future / MAESTRO FERJO

シュルレアリスムの画家MAESTRO FERJOの作品。「夢と現実」を描くという彼の作品は、不思議な世界観を持っていますね。

Flamenco Dancer / Blend Cota (写真:Blend Cota The Color

先ほど紹介したBlend Cotaさんの作品ですね。鮮やかな赤の躍動感がすごい!

Redina Tili

上のBlend Cotaさんの奥さんであるRedina Tiliさんの作品。これもカラフルで綺麗な色使いですね。Blendさんがダンサーやアメコミヒーローなどのポートレイトをテーマにするのに対して、彼女は自然をテーマにした作品が多いです。

ART EXPOではFather  Side(父側)・Mother Side(母側)というように、対をなす形で展示されていました。

作品を観て気づいたこと

アートに限らず、写真でも、広告でも本でもそうなんですが、優れた作品って「人を立ち止まられせる力」があると思ってます。

「人は見た目が9割」なんて本もありますが、アートにおいても見た目はめっちゃ大事で。「なんかこれ好きかも?」って思わせる力っていうのがアートには必要だし、「好きかも」っていう気持ちをキャッチするアンテナを鑑賞者は大切にすべきだと思ってます。

僕は、ニューヨークに来てからギャラリーに足を運んだり、アートフェアにも行くようになりました。その度に、意識的に自分が好きな作品を探そうと思って観ていたんですが、最近だんだんと「自分の好きの傾向」が分かってきました。

  1. 鮮やかなものが好きだってこと。
  2. 自分の「快感」に近いものが好きだってこと。
  3. 不思議なものが好きってこと。

大きく分けるとこの3つが「好き」だって分かりました。

鮮やかなもの

僕が「いいなぁ」って思う絵って並べてみると、視覚的にカラフルなものが多かったんですね。こんなのとかまさにそうです。色がいっぱい使ってあって、キラキラしてる。そんなのが好きだなって思いました。

自分の快感に近いもの

2つめの、自分の「快感」に近いものが好きだというのに関しては、「そりゃそうだろ」って思うかも知れないんですが、例えばアーティストが風景を描こうと思った時には、そこにアーティストが描きたいと思って立ち止まって、切り取った風景があるわけですよね?自分に似た感覚で切り取られた瞬間を描いた絵が好きだし、やっぱりそういった絵の前で僕も立ち止まっているんだなって思いました。

以前、幸せ=一日に感じる気持ちのいい瞬間の質と量というブログの中で、日常の中の好きなことを並べた「快感」という詩の話をしました。それを読んで、僕自身が日常で快感に思うことって何だろうって集めたものの中に、「雨の日の音と匂いと景色」や「異国の雰囲気」ということを書いていました。

エクスポで見つけた下の絵はまさに僕が好きなシーンを描いたもので、雨の音や匂いが伝わってきます。水たまりに反射した景色は、いつもより2倍色鮮やかに目に飛び込んでくるのも僕が好きな理由でもあります。

不思議なもの

美術史を習っていても、シュルレアリスムやダダの絵が好きだったりするんですが、現実離れした夢のような世界が好きだってことが改めて分かりました。

というのも僕は睡眠大好きマンなんで、めっちゃ寝るしめっちゃ夢を観ます。先日は夢の中でめっちゃ不思議な夢を観た夢を見ました。もはや、インセプションの世界w

人間の無意識みたいな所にすごい興味があるので、不思議な世界観を持った絵に惹かれてしまうんですね。

エキスポの感想

現代アートのイベントに行ったのは、ニューヨークに来てから2回目。やっぱり作品に囲まれているとウキウキしている自分がいました。

体験型のアートが増えたり、デジタルアートも盛り上がっていますが、絵画だって全然感動するし、ネットより生で作品に触れるのは違うなぁと思いました。

そして、アート業界で活躍してるコレクターとかギャラリスト見てると超カッコいいんですよね。アートに関わる仕事がしたいって一層感じましたね。以前、アートフェアで会った人に、「前に見たことある」って言われたり、「コレクターの方ですか?」って言われたりすると、なんか嬉しくなったり。

いつかは「アートを買う」っていう楽しみ方をしたいなとも思いました。

正直、「ニューヨークのアートは最近こうなってる」だとか、「現代アートの流れがこう変わってる」とか、そう行った動向は全然分かんないです。アートエクスポに行っても、個人的な感想しか書けないのがかたじけないですが、せっかくニューヨークにいるので、学べる限りもっと勉強していきたいと思います!

おしまい

この記事を読んだ人におすすめ⬇︎

好きなものを好きって言うこと。〜アートフェア参加レポート〜

美大の闇。アート界の闇。絵画が盗難されるということ。

【インタビュー】「モネのように生きたい」ニューヨークに住む19歳の美大生のこれまでとこれから。

これを読むだけでアートの流れが分かる!西洋美術史完全おさらい。〜アートは革命の歴史だ〜

写真家荒木経惟を巡る論争。NYのセックス博物館で開催された個展を観て思ったこと。

あなたはだあれ?って方はこちら⬇︎

ABOUTこの記事をかいた人

たいと

ニューヨークの大学に留学中の23歳。 絵は描けないけど美大生。 『アートをもっと身近に』をテーマにアウトプット。海外生活や旅のことも書きます。 現在、ニューヨークで若者のクリエイターコミュニティを運営中。